ヨス家の子育て物語

~子を育て、子に育てられ、親になってゆく~

第1話「胎児は聞いている」

生まれてくるのは来年がいいなあ。とは最近の嫁の口癖だ。
 
僕「どうしてそう思うの?」
嫁「そしたら干支がネズミになるでしょ?」
 
そこで僕は一つの答えにたどりつく。
そういえば嫁もネズミ年だ。
つまりはネズミ仲間が欲しいに違いない。
 
嫁「この子がネズミ年になったら、三代になるもんね」
僕「三代? 嫁子(嫁の名前)の両親てネズミ年だっけ?」
嫁「なに言ってるの! お義母さんがそうでしょ?」
 
嫁のジト目が痛いこと痛いこと。
oh……、そりゃ忘れてました。失礼しました。
というか、よく僕の母親の干支まで覚えてるものだ。
 
嫁の独り言が多いのは昔からそうだったが、お腹が大きくなってからはますます加速している。
お腹で胎児が動くと、
「よしよし元気だね~」とか。
「アカたん(赤子のこと)くすぐったいよ」とか。
「うわっ、ビックリした」とか。
 
特にお風呂に入ると5分ぐらいでよく動くらしく、
「いい湯だねえ」と話しかけるらしい。
どこからともなく、BGMババン・ババン・バン・バンと聞こえてきそうな語りかけだ。
 
胎児は25週ぐらいから音が聞こえてるというが、きっとネズミネズミ言ってる嫁の言葉も聴いているのだろう。
もちろん意味はわからないだろうが……
 
色んな本とかを見ると、母親からの声かけは、胎児に良い影響があるものと書いてある。声を覚えてもらうのはもちろんのこと、優しく話しかけるのは愛情がないとできないわけで、それによって生まれる幸せホルモンが良い効果を与えるそうな。
 
 
なるほど。生まれてからが育児じゃなくて、生まれる前から子育てなんだなあ。
 
 
お腹を撫でながら話しかけてる嫁に、「ヨスも話しかけてみる?」と言われ、なんだか恥ずかしさが勝って、遠慮してしまったものだが……。
よく考えると、もったいなかったかもしれないなあ。
 
もしも、話し掛けるのが照れ臭いと思った人が、これを読んでいたならこう言おう。
堂々と話し掛けてあげてほしい。
自分も今後はやってみようと思うから。
 
 
とりあえず今日は嫁に倣って、ネズミネズミ~と言ってみようかな?