第3話「幸せ方程式」
胎教。
一度は耳にしたことのある単語である。
この時点で僕がぼんやり理解してるのは、
胎児に話しかけたり、音楽を聞かせてみたりすることが胎教ということ。特に音楽に関してはクラシック、特にモーツァルトが効果的とか。
モーツァルト……
僕はちゃんと聞いたことがないが、なんというか音楽として高いハードルを感じてしまう。時々テレビで流れてくるクラシック音楽を聞いても、なんかすごいなあ!という、小学生の読書感想文ぐらいしか出てこない。
……む?あんたと一緒にされたくないという小学生の声が聞こえたような?これは失礼しました。
胎児に教えると書いて胎教だよなあと僕は考える。
つまりモーツァルトを流すと、素敵やん! と胎児が学んでくれるということか?
……
…………
……………………
はい、もちろん違いますね。
ちゃんと調べて情報をアップデートしてまいりました!
胎児の状況とモーツァルト
- 胎児は学習に必要な脳の部位が未発達である。なので外部からの音を聞いたりして、何かを感じられるかは定かではない。
- 胎児に耳は出来てくるがハッキリとは聞こえていないもよう。
- 母体のなかというのは、母親の心臓音とかもあるので意外に賑やかである。
ちなみにモーツァルトの曲には副交感神経を刺激するものが多いらしい。副交感神経優位になるとリラックスしやすくなるというのは有名だが……。
モーツァルトを胎児が聴くことで過大な効果を期待するのは、いささか難しいのかもしれない。
僕「なーんだ。モーツァルト聞いても、あんまり意味ないのかあ」
ウィキペディア先生「それは違うぞ、ヨス君!」
僕「あ、あなたは! 皆がお世話になってるウィキペディア先生!? な、なにが違うっていうんですか!」
ウィキペディア先生「うぉっほん!仕方のないやつじゃのう。胎教とはな、一般に妊婦が精神の安定に努めて、胎児によい影響を与えようとすることじゃよ。つまり――」
幸せ方程式
お母さんの精神状態が胎児に影響を与えるということ。
幸せなお母さんから産み出される数々の幸せホルモンは、胎児の脳の構築に良い影響を与えるそうだ。
逆にストレスがお母さんにたまると胎児に悪影響を及ぼすとのこと。
思い出してほしい。モーツァルトの効果は、ズヴァリ!リラックスである。つまりお母さんを経た間接的なものとしては、モーツァルトも十分に良い効果が期待できそうだ。
……待てよ?
つまりは幸せを感じたり、副交感神経優位にすれば、それが胎教になるってことか?
お母さんの幸福=幸せホルモンたくさん=胎児に良い効果をもたらす
幸せ方程式がこんなところにあったとは。
胎教というと少し小難しかったが、嫁がハッピーになることを考えれば良いならわかりやすい。
よしよし、さっそく帰ったら実践だ!
後日談
僕「ねえねえ、肩でも揉んであげようか?」
嫁「……なんかやましいことでもしたの?」
僕「してないやいっ!」
お後がよろしくないようで?
それではまた次回。